2009.9.6 サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路の旅 11日目
朝、起きると既に外はとても明るかった。 階段を下りると、昨日の賑やかさとは打って変わって静かだった。 それでも誕生会パーティの痕跡がところどころに見られた。 家の周りを散歩した後、お昼ごろみんなで朝食をとった。 昨日と変わらずみな、明るかった。 本当に絵に書いたように仲のいい家族である。 誕生日を迎えたフランソワーズが娘さんに、お菓子の包み紙で作ったカードケースをプレゼントされ、とても喜んでいた。 部屋に戻り、この手作りの家をたくさん写真に収めた。 将来、こんな風に家を自分で作って住めたらどんなにいいだろうか。 どれだけ愛着が沸くかわからない。 出発の時間が迫ってきたので、急いで支度をして、みんなに挨拶をして、家を後にした。 ちょっとした偶然が呼んだ、本当に素晴らしい経験になった。 パリまでの帰り道、どこまでも続くまっすぐとして道だった。 フランスの国土の多くは平らでとても豊かである。 国の豊かさとは、土地の豊かさと密接に関係していると嫌というほど思い知らされた。 人が生きていくのに最も大切な食物。 この食物が自国で作れるということは、それだけで豊かなことだと思う。 日本は国土が狭く、大半が険しい山である。 残りの数少ない平野で、密集して生きてきた。 現在、日本の人口は1億3000万人。 ずっと500万人から3000万人だったこれまでの日本の歴史の中で、最大の人口である。 先進諸国の中でも日本の人口密集率は極めて高い。 現在の出生率からいくと、今後人口の減少は避けられないが、 もし、そのために一人一人の精神的なゆとりがなくなってきているのだとすれば、 少子化が進み、ある程度適正な人口まで減少するのは悪いことではないのかもしれない。 のどかな風景にぽつんぽつんと立っている特長的な建造物。 なにかなと思っていたら、友人が貯水タンクだと教えてくれた。 貯水タンクは一つ一つ異なる形をしていて、このタンクだけと撮り歩いている有名な写真家もいるそうである。 確かにとても独特で魅力的な形をしたものが多い。 パリに近づくと、急に交通量が増えた。 日曜日の夕方、郊外からパリへと帰る人が一番多い、時間帯である。 フランス国内の数多くの地方都市をみてきたが、やはりパリとは比較にならない。 夕方、無事に彼の家へと着いた。 総日程、11日間、一生忘れることのできない旅となった。