2009.8.7-9 フランスの田舎
天気:晴れ
今日まで3日間、クライアントのご好意で、フランスの田舎にある彼の実家へ遊びに入ってきた。
場所はパリから南へ、車で二時間ほど走ったところにある、小さな小さな田舎町である。
高速を降りて、町に近づくと、あたり一面、草原だった。 そして草原の中にある森の中に入ると、まっすぐ続く小道が、アーチ状に木で覆われたいた。
まるで自然のトンネルである。 上からは木漏れ日がきらきらと輝いて、本当にきれいだった。
日本ではみたことのない幻想的な光景だった。 明らかに意図的に演出されているように思える。
フランスの自然は本当に隅々まで手入れが行き届いている。 似たような風土、地形でも日本の景色とは印象が明らかに異なる。
なぜこんなにも自然が、町が美しく感じるのか、とても不思議だった。
森を抜けると、小さな家が点々と見えてきた。 どれもフランスの家らしく、とても可愛らしい。
しばらくすると家に到着した。 赤い屋根の古い家で、庭がとにかく広かった。 ゆうに数千坪はある。今はこの家にはご両親は住まわれていないとのことで、年に何回しか使っていないそうである。
庭にはりんごやプラムやプルーン、しらない果実がたくさん植えてあって、既にたくさんの実がなっていた。
いくつかとって食べると甘くてとってもおいしかった。 にもかかわらず、この実はほとんど収穫されないまま毎年、地に落ちて、そのままにしているとこことである。
家にはその方のたくさんの友人が集まってきており、早速、庭にテーブルを並べ夕食を頂いた。 サーモンのキッシュがとてもおいしかった。
今回のメインイベントは蚤の市。 この町では毎年夏になると、フランスでも有数の蚤の市が開かれ、この家族も毎年、出展されているのである。
朝、起きると早速準備に取り掛かった。 既に大勢の人々が車にたくさんのものを積み込み、通りに集まっていた。
お昼ごろには準備が終わり、大勢の人々で通りがにぎわってきた。 普段は300人しかいないこの町が、一気に4万人に近くに膨れ上がるとのことだった。
早速、通りを見て回ると、果てしなくお店が続いて、全長7kmもあるそうである。 ざっと見て回るだけでも2時間以上かかった。
フランス製の可愛らしい柄のお皿屋や、ティーカップ、銀食器、が数ユーロから十数ユーロでたくさん並んでいた。
どれもいい感じに使い込んでいて、アンティークやそれに近いものも多かった。 自分にとっては本当に宝の山である。 買って帰りたいものが山ほどあった。
日本にいるときはデザイン雑貨など新しいものも好きだったが、フランスに来て、古いものが断然好きになった。
フランスは本当に古いものを大切にする国で、蚤の市に出展されているものを大半がかなり古い年代のものだった。
古いものには、新しいものにはない、エネルギーが感じられる。
少し黒っぽくくすんだ銀食器などを手にすると、この食器が今までどんな人々に使われ、どのようにここまでたどり着いたを考えさせられ、実際の重さ以上にずっしりと重く感じられるのである。
いろいろと悩んだ挙句、キッチン用品や小さな食器をいくつか購入した。 総額で20ユーロもいかなかった。
帰り際、となりに住んでいる家のおばあちゃんが訪ねにきてくれ、お土産にとれたてのトマトとパセリを分けてくれた。
実家でもよく近所の家から野菜を頂いていたことを思い出した。 やはりどこの国でも、田舎の人々は気持ちが温かい気がする。
前々から、フランスは都会よりも田舎のほうがフランスらしくていいと聞いていたが、確かにそうなのかもしれない。
もしこのクライアントと、あのカフェで出会うことがなければ、こんな田舎にくることはまずなかった。
本当に縁というのもは不思議なもので、やはり人との出会いは大切にしなければと思う。