2009.8.29 サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路の旅 3日目
★3日目
朝食を取り、出発した。 もうスペインとの国境も間近である。
美しく輝くとうもろこし畑を抜け、Bayonne を通り、山脈に差し掛かった。 スペインとの国境線にもなっているピレネー山脈である
このあたりはバスクと呼ばれる地方でもある。 バスク。 フランスとスペインをまたがるピレネー山脈でバスク語を話す民族が住む地域で、独自の文化を持ち、独立心が高い。
しかしながらバスクという国が成立したことは一度もない。 今なおスペインでは独立運動が盛んだという。
山脈を登ると、今まで見たこともない風景が広がった。 ところどころに古い教会が立てられていた。 おそらく巡礼者のためのものと思われる。
時々、徒歩や自転車で巡礼する人々を見かけるようになった。 巡礼者のシンボルマークである貝殻をぶら下げている人もいる。 山脈のところどころで小さな村が見えてきた。
緑の草原に赤い屋根の家が点在する風景は美しいヨーロッパの田舎のイメージそのままだった。
しかし家に近づくと、今まで見てきた家とちょっと雰囲気が違うことに気づかされた。 どの家もみな、窓に木の扉がついていて、閉めると壁にぴったり収まるようになっている。
夕方、今日の目的地である、サン・ジャン・ピエ・ド・ポルに到着した。
ここは巡礼者がスペイン側へピレネー山脈を越える前に宿泊する重要な宿場町である。 街には多くの巡礼者を目にすることができた。
建物はみな、バスク特有の建築様式をしていた。 そこでまたホテルを紹介してもらった。
夕食はホテルのすぐ近くにある、バスク料理のレストランで食べた。
前菜がサラダ、メインはパンにひき肉のミートソースが載ったもので、それに生卵の黄身をかけて食べた。 通常のフランス料理とはちょっと違った感じで新鮮な感じがした。
友人の注文した、地元のますを少し食べさせてもらったが、とても美味しかった。 こんなに川魚が美味しいと感じたのははじめてである。
帰り道、街に街灯が照らされとてもきれいだった。 ホテルの目の前は墓地だったが、ぜんぜん暗い感じがしなかった。
むしろ雰囲気がいいぐらいである。 こちらの墓地はどこに行っても風通しのいい、明るい場所にあって、見た目も美しく、まったく怖い感じがしない。
こういうところにも文化の違いを感じさせられる。 明日はいよいよスペインである。